滑舌と発声の関係(外国語のイントネーションに学ぶ)

滑舌と発声の関係(外国語のフレージングを使う)

ナレーターの方のレッスンを沢山担当させていただくのですが、最近ある一つの結論に至りました。

「ナレーターの方が一番欲しいもので、一番足りないもの」

これが何なのか?という事です。この結論に至るまでに色々なお悩みをナレーターさんからシェアされてきたのですが、すべてここに行きつくためのお悩みだな。という事なのです。

声の音域のみではなく、声の奥行き感が欲しい。
という事です。
この声の奥行き感とは何か? ということなのです。
日本語と英語(ほかの外国語も含みます)の決定的な違いは、言語音域の周波数の範囲です。
※周波数は空気中に音が伝わる振動の数の事です。
日本語は125~1500hz 英語は2000~12000hz 程と言われています。
以前、某テレビ番組で英単語 「Key」を日本人と外国人で行った時の息の破裂する量の実験を行っておりました。そこで見ても日本人と外国人では一つの単語でも破裂時に出る息の量が全く違います。
無声で伝わってくる音でも、実際には耳に聞き取れないほどの周波数帯で高音が鳴っている。
というのが私の出した結論です。

音域の周波数帯を意識すると、フレーズ感が増す。

ナレーターの方には積極的に英語の歌を歌う、または英語の文章を読んでいただく。

様に最近では心がけています。実は前回録画したHAYATO先生のレッスンでも同じことを言われました。

こちらの動画です。HAYATO先生が英訳をされた曲を私が歌っています。この動画の冒頭でもおっしゃっていますが、「英語のフレーズ感で日本語を話した時のフレーズ感は、いわゆる世間話をする日本語感とは明らかに違っている」

という事なのです。

例えば、「アイ ラブ ユー」という場合でも、そうです。日本語の場合母音は ア・イ・ラ・ブ・ユ・ウ という6つの母音により支配されます。ですが、英語の場合 「アーイ」「ラーブ」「ユーゥ」というように、1単語あたりに1つの母音しか存在しませんから、必ず母音1つの部分に「マウンティング」ができるわけです。

ですから、一つの単語を喋っても日本語のように平坦にはならないわけです。

大切なのはここからで、
安易にリズム、としてとらえるだけではなく、そこに一つの「音域を感じる」作業をしなくてはなりません。
そこで発声に戻ります。
実はまだこちらで「ミックスボイス」についての動画をアップしていないのですが、歌の方が最も興味深くレッスンに取り組むこのミックスボイスの概念もナレーションに大変大きな役割となってきます。

こちらの動画は「声帯結節の方のためのボイストレーニング」と銘打っておりますが、ただ結局は「緩めることと締める(閉じること)」この概念とも似たもので、抜くことと入れること、という事で、私が推奨する

息の鼻抜き(びぬき)の発声

を意識してご自身の低音域から高音域までのスムーズな移動を意識するのが良いと思っています。

英語の原稿をただ読むだけではなく、鼻抜きの発声をすることで「喉や口内の共鳴に頼りすぎた狭い共鳴域」ではなく、

日本語ではあまり使わないような、広い周波数帯から、言葉のみをまず日本語に落とし込んでみるトレーニング(一見外国人の方が日本語を喋るまねをするトレーニングする方法)をお勧めします。

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