ボイストレーニングを別観点で表現する。
前回の記事終わりに少し予告しました。私もボイストレーナーという仕事を始めてから14年ほどになりますが、その中で本当にたくさんの生徒さんに触れさせていただきながら、行きついた結論を導き出しました。
私が行っている行為は、ボイストレーニングの技術の先にある第六感を、生徒さんに感覚的に研ぎ澄ましていただいているものです。
最近、私が通っている治療院があります。この治療院様は(次回の記事で詳しく書きますが)オステオパシーという、自分が本来持っている自己治癒能力を高めて、自分自身で体を良くしていくというものを取り入れたところで、特に、院長が刺激するのは「脳」です。
私がアレキサンダーテクニークをとても評価する理由
私は、かねてからアレキサンダーテクニークという概念がとても素晴らしいと思い、その都度勉強を行っています。今年も沖縄に行きたかったのですが、新たな案件で別音楽事務所様から、タレントさんの育成のお仕事をいただいた関係で、今年は厳しそうです。
話は戻ります。
私がアレキサンダーテクニークと出会って最も共感したのは、「人間のすべての運動は軸と付随して動く付属物により起こっている」という事。そして、それをつかさどるのはすべて「脳」であるという事。
なのです。
怪しいボイストレーニング教室は「ボイトレで鬱が治る!」とか言ってしまう。
ボイトレで鬱は治らないです。ただし、治るのではなく、「思考が勝手に本来のあるべき場所に戻っていく」ような姿勢で声を発生する術を知る。という事なのです。
この過程で起こるのは
■体の本来の軸を意識していくと、首と頭の位置の関係は調整不可欠となる。
■癖になってしまった姿勢は癖になってしまった思考を生んでおり、それを調整することにより確実に考え方にも影響が及んでいく。
■しかし、癖で元あった場所に本来体は戻りたがる。それを戻らないようにするのは講師の力ではなく、ご本人の意識と訓練によるものです。その時に関係してくるのが変化を嫌わない。という事。
これ、一番わかりやすいのは、「高音発声をするときのアプローチの仕方」です。高音を出すときに、いつも同じところで「出ない」。と言って全身にブロックをかけてしまう方がいます。こういう方って実は意外にも風邪でぐずぐずの時にきて、全身脱力状態で声を出していくとものすごくよい声が出せたりします。
ボイストレーニングは続けていくと必ずご自分の体、意識との戦いになることが多いです。この変化が「嫌だ」という変化に対してとても敏感で、そうなりたくないという気持ちが大きければ大きいほど、ボイストレーニングは苦痛な作業でしかありません。
私は民間の機関でカウンセリングを学びましたが、やはり心身の不調を訴える方の多くは家庭の子供時代にストレスやトラウマなどが多い方が多いです。
私はそういったトラウマをボイストレーニングの「ご自分の変化」と向き合っていくことにより外しています。
我々はお医者さんではありませんので。ですが、病院で薬をもらってという事をしたくない人にとっては、とっかかりとしては良いツールだと確実に言えます。
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