良いボイストレーナーを育てましょう。(良いスクールの条件)
私は常日頃より、ボイストレーナーの先生方の方のことをよく見ています。「見る」というのは聞き方によっては「誤解」を生む表現かもしれませんが、「見て」も、特段に何かを話したり指示したりするばかりではななく、基本的には信頼してお仕事をお任せしています。ただ、先生がたにお願いしているのは「生徒さんの出席」についてのご報告です。基本的にメール一本でも良いので、そこはお願いしています。
なぜなら、欠席が多い生徒さんは当然モチベーションが保てていないので、あまりにも急だったり顕著な場合はどこかにその原因がないかどうかを探ります。そのときに先生とは密にご連絡を取ったりします。
良いレッスンは欠席しない。
ここは、生徒さんがたは正直なところです。ほとんどの方が欠席をされません。先生に会いたいから。が一番の理由。次に「うまくなりたいから」。これも正当な理由。そして「元気をもらえるから」。これも立派な理由です。要は魅力的な先生のレッスンには欠席をする理由がないということです。
実は私は東京に出てくる際に、「稼働させていただこう」と思っていたボイストレーニングスクールがありました。結局、お名刺はいただいたのですが一人の稼働もないまま私のほうが忙しくなってしまい、やめてしまいました。そのときに、別の楽器の先生がいらしたのですが、スタジオミュージシャンの方でその方曰く「自分はレッスンプロじゃないから」。とおっしゃり、「レスナー」というお仕事に対してネガティブなイメージをこんこんと語られていました。
その当時は私も演奏家としての立場がメインと捉えていたため、「ああ なるほど」。と思ったものの、少々の違和感を感じたことがあります。
レッスン業は甘くない。
もともと負けず嫌いなので、「並み」だ。と言われるのは到底我慢できない性格でした。上京する前に勤めていた楽器店では、30人の生徒さんが30人のお客様を連れてきてくださったため当時70名弱の生徒さんと接していました。
ボイストレーニングがブームなのもあったかもしれませんが、お別れの時にたくさんの方々に見送られて本当に幸せだったことを覚えています。
しかしながら、東京に来たとたん「業界にどのくらいいたの?」とか「大学は芸大?(東京)」など、予想以上に経験とその経験をした場所に対するものがついて回ることを知り、「厳しい世界だな」と思ったことを覚えています。そして、お勤めしていたスクールではあまり良いことがなく、結局独立をするタイミングが突然訪れました。
そして、その中でも自分が「並み」でないトレーナーになるには、地元にいた経験値をもっと「確かなもの」にしなくてはならないということに気づき「ボイタリティメソッド」の今の原型になる自分のオリジナルのメソッドで勝負をしていくこと、そして独自の滑舌法や、体についての知識学、筋トレの勉強や、ヨガ、アレキサンダーテクニーク(導入)。やれることはすべてやりつくしました。
ボイストレーナーが「簡単な仕事」はたまた「アーティストの片手間な仕事」と捉える人、オールエヌジー。
たまに、「ボイストレーニングは歌で食えない人が稼ぐ手段」みたいな言い方をする人がいらっしゃいますが、厳しく申しますと言語道断、オールNGです。まず体力がいります。そして、強靭な喉。10時間続けて話しても嗄れない、疲れないのど。です。生徒さんは風邪でも来ます。もっというとインフルエンザでも来てしまう場合もあります。(先に申したように良いレッスンであればなおさら)。
それに負けない体力づくりを常にしなくてはなりません。
それから集中力。あくびなんか出来ませんので。ものすごく脳みそを使います。鍵盤もあまりにもできないとクレームが来ますし、言葉遣いも気になる生徒さんはとことん気になります。
結論を申しますと、私が講師の先生方に対して細かくて厳しすぎで、続かないかたもやはりいらっしゃいました。が今は、信頼関係がきちんと成り立っていて、良い雰囲気しかありません。
私は、東京に出てきて勤めたそのスクールで「ボイストレーニングはサービス業だから」。と言われました。完全にそうですね。
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