声帯委縮の方のためのボイストレーニング
本日声帯委縮の方のためのボイストレーニング動画をアップしました。こちらです。
声帯委縮の場合、声帯結節や声帯ポリープとは違い、過去様々な生徒さんにお話を伺うと皆さん「声をたくさん出してください。出さなくなるともっと声が出にくくなりますよ」と言われたとおっしゃいます。声帯結節やポリープの場合、その度合いによっては「絶対安静」にしなくてはならないこともあります。(服薬や手術での治療になります)。
声帯委縮の方で、ご相談に来られる方はみなさんこうおっしゃいます。
「声を出さなくてはならないのはわかります。が、どうやってトレーニングしたらいいのかがわからない。しかも、出してても自分の声が気に入らないので、練習するのが嫌になってしまう。」という内容です。
え?これが自分の声なの?
こちらのモデルの生徒さんには御許可をいただいて、たくさんのムービーをアップさせていただいております。この生徒さんは70代前半の方ですが、60代後半の時からいらしてくださっています。一番初めにいらっしゃったときに、「もともとの低くてきれいな声で歌いたい。」
ということをおっしゃっていました。低くてきれいな声。というのがその生徒さんのご希望でしたが、私は初回の時に、「今歌っていらっしゃる声では低すぎてピントが合っていません」
とお話をすると、本当にびっくりされていて口をぽかんと開けていらっしゃったことを覚えています。実は、声帯委縮の方のパターンで今まで多いのが
「本当はもっと高いキーで歌うべきなのに、低いキーで歌っていて、もともとピントが合っていないので、ピントを合わせるために、様々な余計な労力を駆使してしまい、結果余計に声が出せなくなってしまう。」
というのが最も今までで多かったパターンです。
一瞬、音痴になったのかな?とおもうようなことも。
こちらの動画の中では、あえて普段うたわれていない高いキーで歌っていただいています。実はコーラス部などの所属されている女性の方々の演奏などを見に行くと、ビブラートが通常よりも深めで、そしてビブラートをしながら音程が下がってきてしまっている方を複数お見かけします。これは、声帯の音程調節機能が弱ってきてしまっていることが原因と私は考えております。声帯委縮との直接関係とは言いませんが、声帯委縮の方が鍛えるべき部分の大きな特徴の現れと考えております。ですので、この動画の生徒さんにもあえて、音程調節ではなく、まず大きくとらえて「高音を出すための筋力の調節の仕方」を身につけていただくためのトレーニングを行っています。
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