声帯萎縮の方のためのボイストレーニングまとめ2

声帯萎縮の方のためのボイストレーニングまとめ2

声帯萎縮の方のためのボイストレーニングをまとめた記事です。こちらを読む前にまとめの1をご覧ください。

まず、声帯萎縮についてもう一度おさらいをしておきますが、声帯萎縮の症状は若いころの声帯の疲労以外にも、生活習慣が変わり家の中にいる時間が増えたり、会話がない状態が続いている方にもみられる症状です。ただ、これはもちろん一例ですが、今までの経験上若いころに「人前で話をしたりコールセンターに長く勤めていた」経験がある方。いわゆる声を比較的酷使する状態であった方が、仕事をリタイアしたりして急激に声を出さなくなったとたんに声帯萎縮と判断されている方が比較的多い様に見受けられます。

声帯の病気以外にも声が出なくなる病気はある。

こちらも、過去の経験上ですが声帯の病気以外で声が出ない場合で経験があるのが、「脳梗塞」、「パーキンソン病」、「逆流性食道炎」、「CPOD」等になります。特に、逆流性食道炎は、ご本人もこんなところに声がかすれる原因があるとは思っていらっしゃらないため、代替の方が耳鼻科を受診されます。ですが、あまりにもひどいと胃酸が逆流して食道を伝い、炎症を起こして声が掠れたり、初期には鼻づまりがみられて、声がよく通らない。などということもありました。ボイストレーニングで声を出していって、そのうちに「ん?」何かおかしいから病院に行ったほうがよいですよ?と気づくパターンもありました。

いつものモデルの女性の方のボイストレーニングです。この方は本当にひどいパターンの声帯萎縮です。ホルモンのバランスがご本人がおっしゃるには若いころから良くないため、いろいろ内科的治療もされている方です。パート1(まとめの1をご覧ください)を見ていただくとわかるのですが、普段のお話声は「声帯溝(せいたいこう)なのではないか?」と思うほどかすれていてご本人も辛そうでした。ですが、だいぶ話し声もクリーンになってきています。
この動画の中で、前半で声をロングトーンで出していただいている箇所があるのですが、下降してくるときに声が揺れてしまいます。これは声帯のつき状況が「低い音」を出すときに甘くなっている証拠です。

声帯萎縮はまず高音から良くなる。

 

こちらの動画の15分を過ぎたあたりを見ていただくとわかるのですが、初期のころよりはだいぶ「下降」をするのにもなだらかな曲線を描けるようになりました。これはどういうことかと言いますと、まず声帯萎縮の方は高音から出るようになります。しかもいとも簡単に。
ですので、かなり皆さん驚かれます。でもこれは風船の原理で、今まではしわしわの風船の口元から風船の入り口がはみ出ているにも関わらず強く息を吹き込んでいる状態で、それでは風船は膨らみません。そこに、「風船の口元はここですから、しっかり口元を閉じて息が漏れないように入れてください」とお伝えすることによって、的を的確に絞って息を入れることが出来るようになります。これは何故なのか?
高音の音域のほうが、「音をしっかり充てる」という意味でもエネルギーが必要なことはたいていの方はイメージできるからです。そして、強く息を吐きだしてしまうと、的にきちんと当たらない。ということなのです。

歌を歌う時に、直線からカーブになる。

この生徒さんのレッスンは多くて月に1度。お忙しいのもあって、だいたいが2か月に一度程度しかできません。それでも年齢は重なっていくわけでして、それでも「後退せず体に蓄積していく」のが私のレッスンの一番の強みと感じております。

レッスンから2年経った頃の歌唱の動画です。確かに、音程が当たりづらかったりいろいろありますが何よりも「直線がカーブになる感覚」。これは本当に素晴らしいと感じています。

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