声帯結節は、まず耳で治療する!

声帯結節はまず耳を頼りにその発見をするべし。

「声帯結節」。ボイストレーニングでうちの学校を探して来られる方の中で少なくないワードです。ちょうど本日当校の研修があり、すべての講師の先生方に同じ認知をすべく、一通り声の病気について触れていきます。まずボイストレーニングを受講していただく中で、一番あってはならないこと。それは、

レッスンに通ったから結節、ポリープが出来てしまった。

などという事です。本日の研修でも触れますが、明らかに声帯が悲鳴を上げている方にはレッスン中に声を酷使するトレーニングは絶対厳禁です。特に、お医者様から「声帯結節がありますよ」。と言われている方であれば尚です。

実はタレントさんや声優さんの方で当校にご連絡いただく方の中でも割と多い事案です。毎日忙しく声を使う仕事をしていればリスクは高いと思います。それに一人ひとりにそういった声のケアを事務所さんが用意するのはとっても大変。だからこそ我々のような存在が、お医者様に行く前に気づいてあげなくてはならないと思っています。

ポリープは片側に出来る。結節は両側性で声帯自体が隆起する。

結節は左右の両側に出来る事がほとんどだといわれています。また、これは最近知ったのですが、結節が出来る手前で、結節が出来る場所(声帯の中央付近)に泡が溜まる前兆というものがあるらしいのです。もちろん、ボイストレーナーはそんなものを肉眼で見ることが出来ません。ですから、耳を頼るしかありません。

耳を頼る前にも最低限こちら側が知っていなければならない情報というものがあります。それは、いわゆるそういった「声のかすれ」に至った理由の可能性を知っておくことです。

年齢によるもの。→声帯萎縮

ある一定の年齢を超えてから症状が出てきた。全体的に声はかすれやすい。女性より男性に多い。女性でも女性ホルモンの著しい低下などでご自身でご自覚がある方。お医者様から、ポリープ、結節などの症状を告げられていない方など。

声帯溝などの特殊な生まれつきなもの。

声帯溝自体も病気ですが、生まれつきの方もいらっしゃいます。息をこらえることが出来なくて短い時間しか停滞出来ない為嗄声がひどくなる。

風邪をひいた、急性副鼻腔炎後の痰のつまりなどから一時的に発声困難になる場合。

実はこれ、私自身たまに陥ってしまうのですが、初めに鼻の症状(花粉症も同じ)から、重度の副鼻腔炎を患うと、鼻にたまった膿が後鼻漏で喉まで流れてきます。最終的に気管支に痰が詰まって呼吸が苦しくなるともに発声をしても声が全く出なくなってしまう事があります。→安静にして、痰の切れる薬を使用したいしています。

上記のような理由がない場合で急激に発声困難な場合、以下に注意する。

■声が出ない範囲

これは私の経験値ですが、声が出ない範囲が広範囲で喋り声までかすれていて全体的に使い物にならない。という場合は「声帯ポリープ」の可能性が高いと思っています。「あれ、そういう声だっけ?」と気にしなければ気にならなくなってしまいますが、ここまでくると手術以外ないです。

■声が出ないタイミング

声帯結節の場合「典型的に高い声のみがかすれるタイプ」と「いきなり不自然なところでかすれるタイプ」と「全体的に息の漏れる声が多い」タイプと様々で。これを見極められるかが本当に鍵となってきます。

元々私の声はいわゆる「エアー」な声なので、全体的に柔らかい発声に聞こえるそうですが、今まで見てきた方がたはどちらかというと「張り感があって艶のあるきれいな声の方」が女性の場合は特に結節持ちの方に圧倒的に多かったです。

ですからまさに、声優さん、ナレーターさん、アニソン歌手の方、要注意です!!アニソン系のライブの会場に行くとちらほら見かけます。そのまま歌っていたら危険。。。自分で自覚があるならなおさら。ないならご自身が習っている先生などに客観的に判断してもらってください。

くどいですが、我々に大切なのは「耳」です。声帯結節は一旦手術をしても癖を治さなければ、何度もできてしまいます。

この生徒さんは声帯萎縮の生徒さんです(加齢によるもの)VOL1とVOL9の明らかな違いをご覧ください。(遠方の生徒さんの為レッスンはだいたい1か月に多くて1回。平均的には2か月に1回の受講となります。)

↓こちらが現在のご様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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