声帯結節および、結節の所見は認められないが発声障害を感じる方のレッスンの注意点

 声帯結節レッスンでの正しい対応の仕方。

ここ最近、滑舌以外で、「喉の不具合」を訴える方からのレッスンが増えています。

喉の不具合を実際に訴えて来られる方の方で実際に声帯結節等の罹患がある方が全体の3割ぐらいで、他の方々は実際には結節等の主な病気が見られない方です。

であっても、確かにご本人の所見や、第三者的に見た時に

1 明らかに発声しづらい状況にある。

2 明らかに声が嗄れたり、咳き込んだり、痰が絡む等の所見がある。

3 息が続かない。(この場合喉の不具合により、スムーズに息が流れない)

というような所見がある場合には、基本的に実際に「声帯結節」に罹患している方と同じセオリーでレッスンを行います。

それでは、実際に声帯結節の対応でこれだけはやってはいけない、もしくは、実際「こんなレッスンをしてしまいがちだが、そこには非常に大きな落とし穴がある」

という所をシェアしていきたいと思います。

 声帯結節による不具合で声が出ない理由は、「声帯のコントロール不全で声がきれいに出ない」

左右対称に、結節が出来ます。その結節のある状態で声帯の左右を閉鎖して振動しても、声帯のつきが悪いので「声がかすれる」という状況が声帯結節です。

症状は様々ですが、私が過去見てきた感じですと、「声の全部と言うよりは、特にある部分で大きな嗄声が現れる」と言う方や、「全体的にまんべんなく嗄れている。でも、一般の人には気づかれにくいかもしれない=元の声がクリーンな人の場合」

という状況が多いです。

本当に全体が完全に嗄れて声が全く出ない。という場合には、声帯ポリープが疑われたり、もっと別の発声の障害がある場合(声帯溝等)があることがあります。

ただ、最も多いのはやはり声帯結節なので、結節に関してお話します。

単純に考えると、「声帯の合わさりが甘い」ことがおきているので、声帯をしっかり合わせたい。と思いがちです。

本来は、まず専門医に見てもらい、まず「声を出したり、歌ったりしても良いか」というのを確認してから、レッスンを行える状態か、歌える状態かを判断する必要があります。

「無理のない発声であればOK」という場合には、次に裏声を使ったトレーニング

というものを行う許可が出たりします。

ここで、一つ問題があります。まず「裏声を使ったトレーニング」ですが、怖いのは、「裏声だから喉に負担が無い」と勘違いしてしまう事です。

声帯結節になる方を過去見てきた中で最も問題なのは、ブレスの扱いでした。鼻から息を吸って、口から息を吐く。その一連の流れには基本的に「圧」というものは存在しないのですが、発声を行う上で、その「空気の圧」こそが発声の一番の助けになる。と考えてしまう方がいて、そういった方が通常の発声+アルファの余計な力を使ってしまっている現状があります。

息を吐くこと、声帯を合わせて発音(音を発すること)との区別を体感することが大切と言う結論に至っています。

実際に最近でも、ここ数か月声が嗄れてしまって全く歌えなかった方が、1時間のレッスンに何の問題もなく耐えられた例がいくつかありました。

皆さん口をそろえて、「何で楽なのかがわからない」と仰います。

まずはここが第一歩ですが、もう少し継続していくと、「今の自分の発声は良いけど、さっきは悪かった」というように、細かい部分の違いが分かるようになります。

そうすると、凄く早いです。逆に言えばその違いが判らないと、結節の治療(外科治療や内科治療)をしても必ず再発します。

 結節以外に声が嗄れる理由。

又、今まで、結節等特に治療をする必要が無いにも関わらず、同じよう症状をお持ちの方にどういった方が多かったかの所見です。

1 長期間の服薬等でドライマウスになっている。

2 逆流性食道炎があり、嗄声が起こっている。

3 自律神経の乱れが極端に起こっている。(1番に近い)

4 酒やけ

5 アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎(後鼻漏)

6 上咽頭炎(コロナ後遺症とも言われている)

等が、過去に結節以外で声が出にくくなった方の症状に一覧でした。

勿論、それぞれお医者様に通われていて、それ以外で、きちんとボイトレもしたい。と言う方々のサポートとして行ってきました。

基本的に結節になられた方たちと同じようなレッスンをしています。

皆さん、発声により、それまでの不具合から解放されています。勿論、レッスンではどうにもならない場合も0ではありませんが、

やはり、何もしないよりは、していて良かった。という事が多いです。

以上です。

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