宮島が考えるナレーションの変容とは?

 生徒さんだけが使用できる原稿には秘密がある。

私が原稿を作成するときには、生徒さんに「他の方も使用させていただきます」と一言お断りをすることにしています。

これはどういう事かと言いますと、生徒さんの弱点を強化する。だったり、生徒さんに来たオファーに対して、ほんの2ミリ程度(目分量ですが)のエッセンスをお借りし、

特訓のために原稿を作成しているからです。でも、その案件の原稿とは似ても似つかないものを必ず作成します。

最低ライン、「こういう案件」という題材のみが被り、それ以外全く違うものを作成します。

例えば、良くあるのが【瞑想系アプリ、新卒者向けVP、保険会社CM、住宅会社お客様向けPV,株主総会ナレーション、モノローグ風ナレーション、YOUTUBECM、ゲームナレーション、ドラマ番組宣伝、店内放送、アプリ操作系VP】等挙げればきりがないのですが、実際に大手企業様の案件をナレーターとして担っている生徒様も少なくないので、誰もが聴いたことのある社名の物など、基本一部を改変してボイスサンプルにするなんて・・・・NOTHINGです。

例えば、「元気はつらつ?」って言ったら、次に続く言葉がわかってしまう位、インパクトのあるCMと言うのは大手の広告代理店さんや、コピーライターさんなんかが絶対担当してるんですよね(間違いない)そういう物って財産なのです。

だから、下手にもじってボイスサンプルにするなんて危険すぎます。(私は生徒さんにそう伝えています。)

今回私も実は商標を申請したのですが、弁理士の先生に、宮島さんが気になると思う商標を挙げてみてください。

と言われて、挙げてみたら結構先生が「これいいよね♪」と言っていたものと意見が一致していて、感激したのでした・・・。

その中でもやはり大手の「〇〇堂」さんが申請する商標とかって、もう神ってるんですよ。「うわ~そう来たか!」みたいな・・・。

適わないですよ。という事で、私が作るオリジナル原稿って、色々な生徒さんが「なんかありそうで無いんですよね。独特と言うか・・・」と言ってくださいます。

それもそのはず。王道の斜め上?いや下?を行っているのです。

でも、その原稿でボイスサンプルを作成して、オーディションに通っている方、結構いらっしゃいます。

さて、それでは具体的に何を意識して作っているのか、次でお伝えします。

 声優さんがナレーション業界に次々参入。これも大きな時代の変化。

最近若い生徒さんで、私がナレーションをバチボコに気合を入れてレッスンをしている方がいます。

最近は、声優になるつもりで養成所に入っても、「ナレーションの方が即戦力になりそうだから」と言われて、ナレーションの方に舵きりをする必要に迫られている人もいます。

でもそれは、決してナレーションしか出来ない。という意味ではなく、

もうそれは、最近「ナレーションのセオリーが幅広くなりすぎている」実情が顕著な証拠だと思っています。

先ほどの原稿の話ではないですが、声にはキャラクター性があります。

声優さんがお仕事を取るイメージとしては、「キャラクターに合う役がオーディションでとれる」というイメージが一番皆さんわかりやすいかと思いますが、

ナレーションにも見えないキャラクター性があるのです。

実は、この見えないキャラクター性を理解して、合うボイスサンプルを作成することが一番の近道だと思っています。

そして、ナレーション原稿を作る時に私が最も意識しているのが「音」です。

音、と言うのは例えば

「誰にでも簡単に操作できる、ワードプレステーマ「ブラウンラッシュ」は、全ての人にやさしい使い方マニュアル搭載」

という文言に対し、

「どんな人にも、スマートに、手堅く操作可能な「ブラウンラッシュテーマ」はワードプレスの救世主。マニュアル搭載で、全ての人にやさしさを」

の様に、後者の方はあまり説明文ぽく配置しないことがある意味コツと捉えて作っています。

後者の方が、音楽で言う所のメロディーとリズムに乗せやすいのです。

ただ、ある生徒さんにとっては前者の文章の方が良いな?と思ったら、前者に書き換えたりもします。

私の場合、声のキャラクター性から聴きたい音の並びを選んで選択しています。

これは私の特性?でもあるのですが、【この声で、このフレーズ聴いてみたい!】という、音の欲求がすごく高いのです。

これは曲を作る時も同じで、「この声でこのメロディーを歌う所を聴いてみたい」というのとほぼ同じ理論です。

私がこの作業が死ぬほど楽しいのも、作曲と妙に作業が似てるから。もう「意味のある文章」として原稿を・・・・捉えていないかもしれません。

そんな中で色々作っていると、重複するキャラクター性の方は出てくるので、合いそうな原稿を生徒さん方にお薦めして使っていただいたりしています。

そうやってどんどん原稿が増えていくのです。

長くなりましたが、感触的に私の生徒さんは多分わかってくださると思います♪

今日もお疲れさまでした。

 

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