声帯萎縮の方のためのボイストレーニングまとめ1

声帯萎縮の方のためのボイストレーニングまとめ1

声帯萎縮の方のためのボイストレーニングをYOUTUBEの時間系列にまとめました。初期のころのYOUTUBEはレッスンをほぼ丸々録画しているため、大変長くて見づらいと思いますが、その1回のレッスンの中でも確実に声の変化を実感していただけるので、ぜひパート1から順にご覧ください。

まずこちらがパート1です。1時間のレッスンの中で、特に後半はご本人の良い声に変化しています。そしてパート2がこちらです。
こちらでは、ハンカチを使ってイメージトレーニングもしています。それでもやはり、初期のころは、高い声から低い声に戻ってくると(もともとこの生徒さんは低い声で話をし、歌を歌います。しかしながら、本来声帯萎縮の症状が強く出やすいのは、当然ながら通常その生徒さんが良く使っている声の音域になりますの)やはり低音域はまだまだ声のかすれが気になってしまいます。

声帯萎縮と声帯結節は違います。

これは非常に難しい(間違いやすい)のですが、声帯結節は声帯の左右に同じようにできる声帯のタコで、これは声帯の老化ではなく、声帯を日常的に摩耗させる使い方をする職業の方(講演者や教師の方などに多いです)に多く、治療法は安静にする、消炎鎮痛剤やステロイドなどを使用するかまたは外科的手術になります。

それに対して、声帯萎縮の場合はお医者様から「歌を歌うならもっと歌って声帯を動かさないと余計に声がでなくなりますよ」。とお医者さまに言われることがほとんどです。当校にいらっしゃる生徒様も、「安静にしようと思っていたら、休ませるつもりで使わないのは余計良くないからボイストレーニングでもしたら?」と言われてきました。という方が圧倒的に多いのです。

こちらはパート3です。このころから徐々に一発目の発声からでも声帯の閉鎖がだいぶうまくできるようになってきます。
こちらがパート4です。一番の変化は、いわゆる高い声(この方の場合、わかりやすいのが通常の方は高い声を出すと高い声に向かって裏声の発声に近くなってくるのに対し逆に声帯がきちんと閉じてくる感覚に移行してくるところです)が、以前よりもある程度「ハリハリ」な状態でなくても出せていることです。音程的にある程度高い声が出ているのはわかりますが、以前よりも声を張り上げなくてもきちんと音程到達できているところです。もしかしたら「矛盾している」と思う方もいらっしゃるかもしれませんのでご説明いたしましょう。

通常の高い声が出ない方と、声帯萎縮の方とのトレーニングの違い。

通常高い声が出ない方の場合、先ほどお話ししたように高い声に移行するにつれ、声が細くなっていきます。例えばそこに移行するために余計な全身の力が入っていたり、逆に声帯を過剰に緊張させすぎていてそれ以上音域が伸びないような場合は、全身の緊張感の緩和、声帯のみの動きをきちんとマスターすることを先に行っていきますが、最終的には高い声になったときに「声を太いまま低音から高音へ移動させる」事というのを目的に行っていきます。

ただし、声帯萎縮の方の場合、先ほどの方の例のように高い声を出す際にはもともとのその方の声の出し方と違い、ある程度意識をして発声するためにきれいに声が出せてある程度「ハリ感」のある声を使えるので、その音域の声の使い方を低音(通常歌で使いたい範囲の音域)まで落としてくるという作業をするようになります。実は声帯萎縮の方の多くが、「若い頃より高い声が出ない」と言ってこられるのですが、本当はまず取り掛かりをして声量が出てくると「高い声のほうがよほどきれいに出るようになる」のです。

ただし、これは初期段階です。高い声が出て満足をしてしまう方も多いのですが、その声を日常的な会話の声や、本来歌いたい音域のところで使えないと意味がないのです。

次回声帯萎縮のまとめ2をお送りします。

 

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