声帯萎縮の方のための動画をアップしました。

声帯萎縮の方のためのボイストレーニング(声帯結節と比較して考える)

久しぶりに声帯萎縮の方のためのボイトレ動画をアップしました。こちらのモデルの方ですが、ご本人に許可を得て撮影をしています。「自分の変化が少しでも皆さんのお目に触れてお役に立てれば」とのことで一肌も二肌も脱いでくださっています。

さて、今回のテーマはずばり、「声帯萎縮」です。声帯結節とは別物として考えていただいて、考察いただきます。まず声帯萎縮は若い方ではまず診断されることはないと思います。若い方で似たような症状であるとするならば声帯溝(せいたいこう)です。これは、生まれつきの場合もあったり、後天的な場合もあったりしますが、まずポリープの方以上の嗄声がみられるのが特徴です(過去お会いした方は皆さんそうでした)。

他にも交通事故の時に声帯を損傷してしまい、うまく閉鎖できない方。など色々な症例を見てきました。実のところ一番困るのは副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎の方の嗄声です。この場合鼻の以上で嗄声しているのか、声帯そのものが原因なのか、よくわからないことが多くあります。

またアニソンシンガーやアイドル、地下アイドルの人たちの中でしゃべったり歌ったりするとかわいい声なのに、数分後に突然酒焼けのような声になる。特定の音域になると急に声の嗄声がひどくなる。といった場合の方は、まず声帯結節を疑うべきです。

声帯結節は、引き続きその状態で声を出すことが決定的に致命的となる場合がありますから逐一発声を変えるべきだと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=uc6KJ7h-Pmw&t=7s

こちらのYOUTUBEが今回の動画です。

この生徒さんの場合は、「声帯萎縮」との判断をされていて、するべきことは「声帯をしっかり使うこと」。「歌うこと」。です。お医者様によっては「歌うのは難しいからあきらめなさい」という方もいるそうですが、正しい判断をされた場合は、使わないと、どんどん声が出なくなりますよ?と言われているようです。

この生徒さんの軌跡をご覧ください。

声が出なくなった人のボイストレーニングVOL1 https://youtu.be/eBtKqA1kUbY”]

~10分ほど経過した際の発声練習を見てください。中間の音程になるととにかく不安定でよれよれで、今とだいぶ違います。4年以上前です。

声が出なくなった人のボイスとレーニングVOL2 https://www.youtube.com/watch?v=Cg29sjwGQZI”]

~11分あたりで低音のボイストレーニングをしていますが、やはり今の声よりもガラつきが強めです。高い音は一見するとよく出ているように感じるのですが、ある程度力で押し込まないとこの声が使えないので、今のように薄く滑らかに音階を歌うことを不可能です。

声が出なくなった人のボイストレーニング VOL4 https://www.youtube.com/watch?v=x2ATNkrwdrM&t=19s

~4分付近の発声ですが、やはりこのころもまだ「音を押す」という感覚のほうが強くて、声量に頼っているころです。このことからしかしながら「良い声」と「良くない声」が出せる時と出せない時の差がはっきりとしてきました。

声が出なくなった人のボイストレーニングVOL 6 https://www.youtube.com/watch?v=R4BWE0xqJow&t=1052s

~音の下降がとにかく苦手なのが顕著にわかるのが12分を過ぎたあたりの動画です。異なる2音感で上から下に下降しますが、一打音と二音目でずいぶん音のアタックに差が出ています。

と、このような感じです。この生徒さんは私が特別に地方でレッスンをしている生徒さんで、体調も良い時とそうでない時があるので月に1度、来れない時は3か月に1度というように間が開いてしまうことも多いのですが、それでもこうやって目に見える変化として表れています。いちばん何が違うのか?というのはプロの方なら一目瞭然化と思います。見るポイントは

◆発声は上行より下降が難しい。下降するさいの音の並びが以前よりもしっかり整っている。

◆コブクロの小淵さんの国歌斉唱が私は素晴らしいと思った理由は、あの発声の状況なら本当はもっと音がぶら下がってもよいはずなのに、あの程度にとどまっている事。通常はあのキーは女性でもなかなか歌わないキーなのです。クラシックの人などで、あのように下にひっくり返ったような喉のこぶしが逆さまに入ってしまうような声を出されるソプラノの歌手の方なんかもいます。この今回の私の生徒さんも初めは、下降時に音階のステップを踏みはずしていましたが、今の段階ではだいぶ滑らかにとれるようにまでなってきました。

◆音程の取り方 VOL1から見てきても、圧倒的に今の音程の取り方は音を真正面から当てているだけの取り方ではなく、きちんと声帯閉鎖の状態がなされたうえで、音色として音程をつかんでいます。理想的な声帯の使い方としては、音程の上下に伴ってあまり開閉が行われないこと。

など、です。基本的に私はレッスンでは難しいことは一切話しません。むしろスーパー感覚でレッスンを行っています。講師研修の際は、すべて上記のような考察を答えてもらっています。正しいメソッドは、「HOW TO」やり方はスポーツ的に。ただし、その裏付けは必ず取ること

です。

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